ダウン・ヒア・オン・ザ・グラウンド

お気に入りのこのアルバムは、ウェスモンゴメリーをフィーチャーしたジャズの インストラメンタルの部門に入ります。
お気に入りの要素は、16ビートから2ビートまでの曲がある中で全体の曲調が何か、懐かしさや郷愁がこみ上げてくるようで、心地良いからでしょうか。
全10曲の中には、ウェスオリジナルの2曲もありますが他は、映画で使われた曲や ミュージシャンが好んで演奏するような、ウィンドソングやわが心のジョージアも 入っていたりします。

それはまさに、ウェスの、ギターテクニックやバラード調をも弾きこなすアドリブの技を、余すことなく楽しめる選曲になっていると思います。
中でも個人的に好きでお薦めしたいのは、ウェスのアドリブが冴えわたる3曲目の アザー・マンズ・グラス、懐かしい場所へ誘われるような7曲目のあなたに祈りを、 そして9曲目のノウ・イット・オールがあります。

特にテンポがボサノバ調の9曲めは、後で解説を見てみると、ブラジルの作曲家=ジョアン・ドナートが作った曲だと知り、だから心地良いのだと分かりました。

偶然にも近年になって、気になる曲をリサーチしていて見つけたのが、そのジョアンの曲だったから驚きです。
この一冊のアルバムの完成度を高めているのには、脇を固めるミュージシャンが いるからに他なりません。

ベースのロンカーターにピアノはハービーハンコック、ドラムはグラディ・テイトというなんとも贅沢なコンボになっています。

彼らも完全に主役級なのでそれぞれのパートでアドリブも聞けるかと思いきや、そうはいきません。このアルバムではあくまで、ウェスの演奏を引き立てることに徹しているようです。

しかし、ハービーハンコックが音繋ぎの間に見せる、軽やかな旋律やバッキングの技術が光る箇所が随所に散りばめられてある曲も何曲かあり、つい引き込まれます。
CDというのは、全曲のうちで3,4曲が気に入れば買って良しと勝手に解釈してますが、このアルバムは、タイトルのダウン・ヒア・オンザ・グラウンドを含め、3と7そして9曲目が光っているので、大満足なCDとなっています。

山下達郎『RIDE ON TIME』

最近氣志團万博での熱演が話題になった山下達郎

本作は1980年発売の大ヒットアルバムです。
1曲目いつか(Someday)は今年のライブツアーでも演ったそうです。チョッパーベースのイントロがカッコいい名曲。
♪SAMEDAY 一人じゃなくなり SAMEDAY 何かが見つかる~というフレーズにいつもホッとします。

いい大人になった今なお、この曲に勇気づけられています。

2曲目DAYDREAMは吉田美奈子作詞によるファンキーな曲。私の一押しの達郎ナンバーです。真夏の午後の街ってこんなですね。至高の一曲と思います。
4曲目のタイトルナンバーはドラマの主題歌として再ブレイクしましたが、聴くと80年代に引き戻されます。

あの頃は音楽も何もかもがキラキラしていたような気がします。5曲目夏への扉もメロウな達郎ナンバーとして愛されている一曲です。

R.ハインラインの同名小説をモチーフに書かれた曲です。
♪もしか君今ここで やり直せなくても 淋しく生きる事はない~というフレーズにいつもいつも励まされています。さりげない優しさが漂うハートフルな一曲です。
7曲目Rainy Dayは吉田美奈子も歌っている名バラード。

達郎のラブバラードの中でも究極の名曲なのではないでしょうか。

8曲目雲のゆくえに、吉田美奈子の方でよく聴いていたのですが、達郎のバージョンも良いです。

間奏のトランペットソロに被せる達郎のハミングがイイ!乾いたせつなさがたまらない大人の一曲です。
アルバム全体が古さを全く感じさせないのが凄いです。

山下達郎の1枚と言われたら迷わすこのアルバムを挙げます。夏を歌った名盤とも言えますね。

illion 『UBU』

この作品はRADWIMPSのボーカル野田洋次郎がillion名義で2013年にリリースしたソロプロジェクトのデビュー作です。

バンドというフォーマットに囚われず、自由にやりたい音楽をやっているという印象を持ちました。

その中でも、雅楽や日本古来の音楽的、文学的アプローチを色濃く感じました。このアルバムのリード曲である『MAHOROBA』、そして『GASSHOW』では歌詞が古文体で書かれていたり、『AIWAGUMA』では古代の音楽を想起させるような楽器が使われていたりと、古き日本文化を海外に向けて発信したいといったような意図があるのではないでしょうか。

それと同時に『BEEHIVE』といったような洋楽風な横ノリの曲があったり、緩やかなラブソング『HIRUNO HOSHI』など、野田洋次郎の音楽的ボキャブラリーの広さを感じます。

また、それを彼自身の流暢な英語で歌うことによって海外の人たちに対しても説得力を持つ作品に仕上がっているのではないかと思います。

これはなかなかできることではなく、帰国子女であるというアドバンテージであり彼にとっての表現の武器になっていると感じます。

先ほど挙げたように様々なテイストの音楽がありながらも、聴いていて難しいとは感じず、リスナーにとってすべての曲を口ずさむことができるというポップさも、類いまれなる才能を持ったメロディーメーカーであるというあかしだと思います。

今後、このillionというプロジェクトがどのように海外の人たちに受け入れられていくのだろうというのは非常に楽しみなところです。

ろくなもんじゃねぇ:長渕剛

昔は長渕剛さんの音楽に興味は無かったのですが、今では嵌ってしまってます。

きっかけは友人が貸してくれた1枚のCDだったのですが借りたCDよりもその後に発売された「ろくなもんじぇねぇ」は衝撃的でした。


本人主演のドラマ主題歌でしたが、まずタイトルが「ろくなもんじゃねぇ」って聞いたことがありませんでした。ストレ-トなタイトルに驚き、更に歌いだしが「ピ-ピ-ピ-、ピ-ピ-ピ-...」の繰り返しで最初は馬鹿にしているのかなと笑っていましたが、中身の歌詞はタイトルや歌い出しとは異なりとても繊細で心の中にあるもどかしさや悔しさを表現出来ない苛立ち等、当時の自分自身にとても当てはまる内容でした。

特に歌詞の2番は最高は心に衝撃が走るほど響いたのを今でも忘れません。「思いやりと優しさが腐る程、鼻について殴ったあいつの頬、握りしめた拳はやり場の無い、俺の心にいつしか突き刺さってた、どこかで誰かが俺を待っててくれる...」とあります。

きっと誰かが今の自分の気持ちを理解してくれる。心の奥にある何とも言い難いやるせなさをこれしか無いという言葉で表現してくれたこの歌詞は30年程たった今でも私の心の中に浸みています。

歌詞を絶対に忘れないのもそれだけ強力に心に打ちつけられたのだと思います。今も当時以上に心惹かれる歌はありません。ふと何かやるせない気持ちになるときは必ずこの歌を口ずさんでしまいます。歌詞最後の「ろくなもんじゃねぇ」も強烈に覚えています。

Pia-no-jaCの「風神雷神」は運転時の気合入れに最適

Pia-no-jaCは、ピアノとカホンの2人によるインストルメンタルユニットです。
ピアノの担当はHAYAO、カホンの担当はHIROで、2005年に結成されました。
カホンというのは聞きなれない楽器名だと思いますが、ものすごく簡単に言うと「箱」です。それを、手のひらで叩いて音を出すという、超シンプルな打楽器です。最初のうち、私はPia-no-jaCの曲を聴いている時に、本当にカホンが必要なのだろうか、と思ってもいましたが、その音がないことを想像すると、やはりワサビがない刺身のような、物足りなさを感じることに気づきました。ピアノだけだと後述しますが、Pia-no-jaCの音楽の持つ「疾走感」のようなものが出ないのです。
さて、そのPia-no-jaCの私のお気に入りのアルバムですが、ユニットにとっては2枚目のオリジナルアルバムになる、2009年に発売された「風神雷神」です。
特に、その中の最初の1曲の「台風」は、このユニットの特徴である、「美しいメロディとあいまった疾走感」が非常に感じられて、この曲が流れだすとたん、自分の中の血がものすごい速さで巡り始めるのと実感します。
特に、一番よく聞くのが、車を運転している最中で、それも仕事帰りに(車通勤をしているのですが)、何か仕事中に嫌なことがあった時、あるいは逆に仕事が非常にうまくいって高揚している時に、このアルバムをカーオーディオでかけます。すると、その疾走感のある音楽によって、嫌なことがあった時にはそれを吹き飛ばして「どうにでもなれ!」というストレス発散ができますし、逆に仕事がうまくいった時には、その高揚感をさらに増してくれ「明日もやったるで!」という気合の入った気分になるのです。
そのあとの曲も、時折はさまれる、美しいピアノバラードにもうっとりしますが、基本的にはピアノの美しいメロディと、カホンの叩かれるリズム感、そしてその両方から生み出される疾走感は変わらず、アルバム1枚を聞いている間、非常に高揚感に包まれる感じがします。
Pia-no-jaCはほかにも、ドビュッシーなどよく耳にするクラシックをPia-no-jaC風にアレンジして演奏する「EAT CLASSIC」シリーズなどのアルバムもありますが、これも名曲に疾走感を入れ込んだ、全く新しい曲になっていて、聞いていて非常に楽しいです。
いずれにしてもぜひ聞いていただきたいユニットであり、アルバムです。

スティービーの名曲「アナザー スター」

スティービーワンダーと言えば大御所中の大御所!
数多くの名曲、ヒット曲があります。
その中で、私の一押しをあえて挙げると知れば「アナザー スター」です。
歴史的な名盤「キー・オブ・ライフ」に収録されています。
発売当時「キー・オブ・ライフ」はLP2枚+EP1枚という形でした。
もちろん、今のように試聴などはできず、買ってはみたけど気に入る曲が少なかったら…と当時の私は迷いました。
それでも、不安より期待が勝り、お小遣いをはたいて購入したのです。
その中で出会ったのがこの「アナザー スター」です。
胸がぎゅっと締め付けられ、じっとしていられない気持ちでした。
楽曲におけるバックコーラスの重要性やカッコ良さを教えてくれたのもこの曲でした。
イントロは、パーカッションとピアノのシンプルだけれど力強いサウンドで始まり、バックコーラスと他の楽器が加わっていきます。
そして、スティービーの伸びやかな歌声が聴こえてきます。
メロディは短調長調とが交互にやってきて、それがまたとても効果的です。
イントロ部分のバックコーラスとリズムは、この曲を一貫して流れるテーマのような役割を果たしていて、スティービーの歌声との絡みも絶妙です。
ブラスパートも実に良いタイミングで入ってきます。
レコードは簡単に頭出しできないので、傷をつけないように気を付けて針を落とし、この曲を繰り返し聴きました。
その後CDとなった「キー・オブ・ライフ」も購入しました。
数十年たった今も、ときどき無性に聞きたくなります。
ずっと輝きを失わない名曲です。




ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ

ロバータ・フラックダニー・ハサウェイ」は、アメリカのR&B歌手であるロバータ・フラックダニー・ハサウェイが連名で発表したスタジオアルバムで、この発表時期は1972年です。
ロバータ・フラックは、日本においては「やさしく歌って」「愛は面影の中に」などで有名なシンガーです。

一方ダニー・ハサウェイはローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第49位である偉大なシンガーソングライターです。


全10曲収録されたこのアルバムでは、有名なキャロルキングの楽曲である「You've Got A Friend」や、ソウルの女王として不動の地位を築いているAretha Franklinの「Baby I Love You」のカバーが収録されているほか、Nat King Coleなど王道ジャズシンガーが歌ったことで有名な「For All We Know」のDonny Hathawayバージョンが収録されています。

どの楽曲も70年代らしいソウルミュージックを代表するサウンドになっていて、ロバータ・フラックダニー・ハサウェイ両名の調和したボーカル、演奏ともに心に響くアルバムになっています。

「For All We Know」はNat King Coleを超えたもう一つのオリジナルとも捉えられているので、聴き比べをしてみると違った楽しみ方ができるかもしれません。

そのほか、「Where Is The Love」や「Be Real Black For Me」などもおすすめしたい名曲です。

ソウルミュージックを気軽に感じたい方には、ぜひ一度聴いて欲しい1枚になっています。